1. 我道 ~飲食の社長たち~
  2. 株式会社キャン・プランナー 代表取締役 小島和明氏
食を伝える「拘り」がそこにある 我道 飲食の社長たち

日本の飲食業界をリードする社長たちの「拘り」はどこにあるのか。生い立ちや人生観などのパーソナリズム視点からひも解き、人気飲食店オーナーの素顔と内面にクローズアップしていきます。企業理念やビジョンはもちろん、お客様一人ひとりに対しての想いや取り組みも知ることができるシリーズ企画です。

記事

株式会社キャン・プランナー 代表取締役 小島和明氏

2011/12/05

株式会社キャン・プランナー

代表取締役

小島和明氏

1969年6月4日生

九州などの産地直送食材にこだわり、
大切な人をおもてなす心でチャレンジ。

プロフィール
新潟県出身。飲食業未経験ながら、所属企業の新規事業として、串揚げ&創作料理の店『風雲児』を立ち上げる。その後、代表取締役に就任し、現在7店舗を運営(2011年11月時点)。2011年5月、自身の飲食業10年目の節目を迎え、「残りの人生、やりたいことはないか」と考えて介護ビジネスを開業。「ダイレクトに人とかかわり、喜んでもらえる部分が飲食業に共通する」と語る。年1回は海外を旅し、ビジネス書や自己啓発系書籍を月20冊ほど読む。書を通じて自分の内面を高め、週数回ジムなどで身体を鍛えるなど、心身共にストイックな面を持つ。
主な業態
『宮崎地鶏・鹿児島黒豚・九州料理 やどんげ』『魚問屋 魚八商店』
企業HP
http://www.canplanner.co.jp/index.html

株式会社キャン・プランナー 代表取締役 小島和明氏の写真

美味しい料理と、お客さまをきちんと“もてなせる”お店を。

 そもそも、私自身は飲食業経験がありませんでした。先代社長が行っていた製造業の業績が良く、新規事業にチャレンジしようということになりまして――。串揚げ屋さんで週2~3回、3ヶ月間ほど修業して、新宿歌舞伎町に1店舗目『風雲児』をオープン。ちょうど10年前、2001年のことです。
 店づくりについては、串揚げをメインに、当時流行していた創作料理もとり入れて、“美味しい料理”を出すことにこだわりました。そして、「お客さまをきちんともてなせるお店」づくりにも力を入れたいという思いが強かったですね。以前から食事やお酒が好きで、いろいろなお店に通いましたが、接客の仕方などに疑問を持つことも少なくありませんでした。そこで、「それだったら、自分が最高のお店を作るしかない!」と決意したのです。
 翌年12月、渋谷に『風の三十三』を、2004年には歌舞伎町に『ぼらぼら』を開業しました。そして2006年、私が代表取締役になった年にオープンしたのが、上野の『ごっつあん』です。

試行錯誤の末にたどり着いた、名物「モツ鍋」。

 4店舗目となる『ごっつあん』を始める前後は、正直言って、かなり試行錯誤していました。だんだん創作料理が下火になるなかで、和風居酒屋として『ごっつあん』をオープンしたのですが、お客さまを惹きつけるメイン料理がない状態でスタートしてしまいまして……。
 ちょうどその頃に出あったのが、モツ鍋でした。そこで、「モツ鍋メインの居酒屋」として特徴を打ち出したことが、現在、モツ鍋がご好評いただいている『やどんげ』や『みごち家』へとつながっています。
 『みごち家』を2009年にオープンするにあたっては、私や取締役が九州に出向き、さまざまなお料理を食べて、非常に美味しい食材を見つけました。そこで、福岡・博多出身の料理長のもと、新たな業態として九州料理のお店をスタートしたのです。美味しいから、新しいチャレンジをしてみよう、と。
モツ肉へのこだわりは、特に強いですね。いろいろとモツ鍋食べ歩いて、モツ自体の味が非常に重要だということで、とても良質な肉を九州から仕入れています。さらに、スープの開発にも力を入れました。

九州や神奈川・三崎から、こだわりの食材を直送しています。

 「どこよりも美味しく、安いものを届けたい」。そういう思いを胸に、私たちは仕入れにこだわっています。たとえば、『やどんげ』や『みごち家』のメイン商品の一つ、「炭火焼」もそうです。宮崎の地鶏や鹿児島の黒豚など、こだわりの食材を地元・九州から直送してもらっています。
 また、新宿と上野にある『魚問屋 魚八商店』でご提供している魚も、九州の漁港や神奈川の三崎方面から直接仕入れています。これも、私たちが食べ歩くなかで、「この鮮度であればお客さまに喜んでいただける」と実感した食材ばかりです。
 九州からは朝獲れの魚をその日のうちに東京へ空輸して、三崎に出向いてその日に獲れたものをその場で仕入れる――。「各地の良い食材を、新鮮な状態でお出しする」ことに、常に努めています。私たちが自信を持ってご提供している九州料理と魚料理を、ぜひ一度お試しいただきたいですね。

自分の大切な人に、どんなおもてなしをするか?

 料理へのこだわりはもちろんですが、私は「サービス業って人に喜んでもらう職業」だと考えています。
 スタッフのちょっとした説明の仕方。小さな気遣い。そういったことに日々気をつけて、「お客さまが自分の大事な人だったら、どんなふうにおもてなしをするだろう」と考えるようなスタッフ教育をしています。自分がお客さんだったら、温かいおもてなしができるスタッフのいるお店に行きたいですし。その思いは、1店舗目オープン前から同じ。当時からずっと「お客さま目線」と言われると、確かにそうかもしれません。
 若いスタッフ本人にとっても、同じ働くならば、そういった姿勢や接客術が身に付くほうがいいと考えています。私たちのお店は居酒屋なので、明るい雰囲気のなかでワイワイ楽しく過ごしていただきたい。そのために、きちんと接客できるスタッフを育てることも、私たちのこだわりの一つです。『お客様は自分の家族・友人・恋人のような気持ちで接し、人を思いやる心を仕事を通して学ぶ』。これが、私たちの経営理念でもあります。

生ワイン、焼き鳥――。新しいチャレンジを続けていきます。

 2011年11月21日に、当社7店舗目になる、新業態のワインバル『Ⅰ8市場(アイエイトマルシェ)』をオープンしました。100種類のワインを揃えて、ワインに合う炭火焼や魚などをご提供するお店です。
 一番のウリは、「生ワイン」。販売元の審査基準が厳しく、都内では飲めるお店がほとんどない生ワインを取り扱う準備を進行中です。流通量が少ない、希少で貴重なワインとお料理を皆さまに楽しんでいただきたいと思っています。
 さらに今後は、焼き鳥など、いままでやったことのない業態にもチャレンジしたいですね。仕入れ力を活かして、魚を扱うお店など、3年以内に全10店舗を目指しています。
 これまで通りに「できるだけ新鮮な食材を、安く仕入れて、価値のある提供を行う」ことを続けながら、まだまだ本当に価値のあるものが出せていない部分を努力して改善していく。それは、人間の大きな楽しみの一つである「食」やお酒を、そして安全な「食」を提供する立場の私たちにとって、終わりのない目標かもしれませんね。100点満点をとるのは本当にむずかしいことですが、お客さまに喜んでいただけるお店をしっかりとつくっていきたいと思います。

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